冗談に聞こえるけどホンキのやぎ除草
市民税減税政策のうれしくない効果
平成24年度から始まった名古屋市の市民税減税。
税収が下がってしまうとサービスが低下してしまうことがあります。
その一例が除草。道路の除草事業については、ピーク時(平成6年)には11億3,506万円だった除草費用は、なんと約60%削られて4億4,510万円まで縮小しました。
それまで名古屋市が実施してきた公園や道路の除草作業の予算が半分以下になり、除草できなくなる場所が増えてきています。
本日現在、名古屋市のホームページでは『予算の減少により道路・河川・公園・街路樹の維持管理をこれまでのようにできない状況にあります。(中略)もし目に余る場所がありましたら、各区の土木事務所までご連絡いただくか、できる範囲で除草・清掃等にご協力ください。』とあるように市民からの依頼がないと除草しない状況になっています。
除草作業が進まないとどうなるのか?
道路や公園では雑草が生い茂ったままになり、ヤブ蚊などの害虫、ヘビやトカゲなどの小動物が発生しやすく、私達人間の生活しているすぐ近くまでやってきます。ガー ドレール沿いでは雑草が生い茂り、歩道を歩く時にはとても邪魔になります。子ども達や高齢者の交通安全の視点でもとても危ないです。雑草隙間から突然「招かざる生き物」が現れたりするともっと危険です。更に背の高い雑草の生い茂った公園などには、空き缶やペットボトルなどゴミを捨てる人も増えている様で、衛生的にも治安の面でも良いことはありません。
大切な税金ですから無駄遣いは絶対にいけません。だからといって市民生活が不便になったり、ましてや小さな子どもやお年寄りが危険にさらされることは絶対にあってはならないのです。
そこでやぎ除草
費用を節約しながら除草は実施したい。そこで提案したいことがやぎ除草です。手作業はもちろん、機械を使用しても過酷で危険を伴う労働環境となっている除草作業を、草食動物であるヤギに活躍してもらいます。草を「えさ」として与えることで、刈草の廃棄物処理の削減、草苅機を使用しないため、労力の緩和や、廃棄物・燃料や二酸化炭素の排出も減らせるといった、人と地球に優しいエコな除草方法です。コスト削減しながら必要十分な除草ができ、これによって現在の問題をかなり解決できます。国土交通省でも屋上庭園の維持管理方法や活用方法として、除草と動物とのふれあいが同時にできる「やぎ除草」を行っています。
やぎ除草のメリット
やぎ除草には数多くのメリットがあります。まずは経済面。除草作業する人件費、機械の購入 ・維持・管理費用、そして(ヤギが食べてしまうので)刈り取った雑草の処分費用が不要になります。次に機械の作業が困難な狭い場所や、急斜面など足場の悪いところの除草も安全、確実に除草可能です。人による除草は雑草が成長した段階で行われていましたがやぎ除草なら手間が少なく年中除草が行えます。これは雑草が成長する前に除草でき、一定の草丈を維持できます。これによってゴミの不法投棄を減らす効果があります。そしてヤギによる除草は従業員 ・近隣住民へ動物が身近にいることによる癒し効果が期待でき、子ども達の情操教育にも役立つことが期待できます。ヤギがいる街で、人と人が通じ合う温かい街の形成にも繋がります。
実際に行っています
私達は2018年5月から河川敷や公園などで、地元の方々のご協力とご理解をいただきながら、実際にやぎ除草のテストを繰り返してきました。前述の通り様々なメリットを実感でき、やぎ除草がこの街をより良くすることと確信しています。除草作業という一見小さなことではありますがとても大切なことです。私達の街が住みよい街であり続けるために必要なことと考えています。このようにひとつひとつ、目の前の「困った」を改善 ・解決しながら、より良い明日にしていきたいと考えています。